J-POP系ヒップホップアーティストの歴史【2000~2010年・前編】

今回はJ-POP寄りのラップを歌ってた懐かしいアーティスト達をヒット順に時系列で紹介。

シングル、アルバムともにオリコン20位以内にランクインしたことのあるアーティスト限定での独自の調査となります。

Mステ出演、紅白、武道館などの話題も取り上げます。

※ランクイン常連であったキングギドラ、NITRO、RHYMESTERはJ-POPではなく完全にヒップホップとみなすので、取り上げません。その他、ファンモン、GReeeeN、mihimaru GTはJ-POPと分類。この手の話題でよく挙がるDragon Ash、スケボーキング、ORANGE RANGEなどはミクスチャーロックとしての扱い。また、ソロでのKREVA、Steady&co.、TERIYAKI BOYZもメンバーが重複してしまうため今回は取り上げません。

2001年

m-flo

オリコン最高位  シングル4位  アルバム1位

1999年メジャーデビュー。メンバーはラッパーのVERBAL、ボーカルのLISA、トラックメイキング、DJの☆Takuによるユニット。

ヒップホップを主体とし、R&Bやソウル、ジャズ等、多様な音楽性を持つ。メンバー3人とも英語を話せることにより、日本語と英語が入り混じった作品が多い。主にシンガーであるLISAがサビを担当するが、LISA自身がラップをする曲も存在する。

2001年のシングル「come again」オリコン4位を記録。この曲に関してTakuは「日本の歌謡曲の方程式を無視して作った」と語っており、当時流行り始めていたUKのクラブミュージックで2ステップを基調とした手法でロングヒットを記録。その後発売のアルバム「EXPO EXPO」でも3位を記録するなど、人気絶頂期の中、ボーカルのLISAが脱退。

その後はボーカルを固定せずに毎回ゲストボーカルを迎える形をとり、2005年には武道館公演、和田アキ子とのコラボシングルで紅白出場を果たすなどそれ以降も独自の活動を展開していたが、2017年、LISAが復帰。現在も3人で活動を続けている。

 

KICK THE CAN CREW

オリコン最高位  シングル5位  アルバム1位

2001年にメジャーデビュー。メンバーはKREVA、MCU、LITTLEの3人。当初はDJ SHUHOもメンバー扱いされていた時もあった。

キャラ立ち3本マイクと称し、それぞれの個性である特徴的な声とフローでのマイクリレーで人気を集めた。

2001年にリリースした山下達郎の名曲「クリスマス・イブ」を大胆にサンプリングした「クリスマス・イブRAP」がロングヒットを記録。初のシングルオリコントップ10入りを果たし、CD売り上げは約40万枚を記録。有名な曲をサンプリングする大ネタ使いはセルアウトにつながってしまうため、当時賛否もあったが、ヒップホップ界で主流なサンプリングという手法を日本に知らしめたのもこの曲の存在は大きいと言われている。その翌年には「マルシェ」で紅白初出場を果たした。

2004年に活動休止。フェス等で限定で復活していたが、2017年に再始動。現在も精力的にリリースを行っている。

RIP SLYME

オリコン最高位  シングル1位  アルバム1位

こちらも2001年メジャーデビュー。メンバーはRYO-Z、ILMARI、SU、PES、DJ FUMIYAの5人。

4人のラッパーによる低音から高音の個性溢れるマイクリレーにDJ FUMIYA(たまにPES)の作るキャッチーなトラックやメロディで人気を集め、お茶の間にヒップホップを浸透させたグループの一つと言われている。

2001年リリースのシングル「雑念エンタテインメント」で初のオリコントップ10入り。その後シングル「one」でブレイク。翌年には「楽園ベイベー」で一般層の人気を確実なのものとし、アルバム「TOKYO CLASSIC」ではオリコン1位を獲得。オリコン売り上げはの累計はわずかに100万枚に届かなかったが、日本レコード協会からは100万枚出荷となるミリオン認定を受けた。

また、日本で最初に武道館公演をしたヒップホップグループであり、その公演回数も最多である。

その後もヒットを連発していたが、2015年頃から売り上げは低迷。その後、メンバーSUの不倫問題、PESの脱退騒動などもあり、現在はRYO-Z、ILMARI、DJ FUMIYAの3人で活動している。

 

2002年

ケツメイシ

オリコン最高位  シングル1位  アルバム1位

こちらも2001年デビュー。メンバーはボーカルのRyoji、ラッパーのRyo、大蔵、DJ KOHNOの4人。

ボーカルが1人、ラッパーが2人そしてDJという当時にしては特殊なスタイルである。初期こそはヒップホップ色というかレゲエを意識したサウンドもあったものの、ヴォーカルを生かしたJ-POPに寄せたサウンドが多くなってきた。この比較的テンポがゆっくりでメロウなラップがあまり認知されていなかったため、アルバム「ケツノポリス2」では「革命的な1枚」と称され、上記のアーティストとはまた少し違った評価を受けることになる。また、ヒップホップを聞かない層も取り込んだことにより「J-POP×日本語ラップ」の先駆者であるともいえる。

多くに知れ渡ったのは2002年リリースのシングル「トモダチ」。この曲で初のシングルオリコントップ10入り、Mステ初登場を果たす。その後も「涙」「さくら」などのヒットを重ね、2005年リリースのアルバム「ケツノポリス4」では初動で95万枚を記録、2006年にはダブルミリオンを達成。2021年には紅白にも初出場を果たした。

その「ケツノポリス」シリーズは12となる現在も精力的にリリースを行っており、最新作もオリコン3位と確固たる地位を築き続けている。

 

2003年

SOUL’d OUT

オリコン最高位  シングル6位  アルバム2位

2003年メジャーデビュー。メインMCのDiggy-MO’とヒューマンビートボックス兼MCのBro.HiとキーボードのShinnosukeによるユニット。

ブレイクのきっかけはどこをとればいいのか正直微妙だが、2003年リリースの1stシングル「ウェカピポ」は16位、2ndシングル「Flyte Tyme」では初のトップ10入りに加え、Mステ初出演、この年に発売したアルバム「SOUL’d OUT」が3位を記録し50万枚を売り上げたのでこのあたりといっていいだろう。

Shinnosukeの作るブラックミュージック、80年代の洋楽ポップス要素を取り入れた多彩な音楽性に加え、Diggy-MO’の異次元レベルの早口と滑舌と英語交じりの独特の発音とフロー、そしてその陰に隠れてBro.Hiも相当な早口ラップをこなしながら、時にはヒューマンビートボックスをしながら歌ったりとこちらも異次元な様を見せつけており、ヒップホップ界?というか邦楽界で唯一無二すぎる存在であった。また、あまりにも進歩しすぎた独特すぎる世界観から、世に出てくるのが早すぎたのではないかとの声もある。

2009年に活動を休止するも、2011年に活動を再開。しかし、2014年Shinnosukeの脱退とともにグループは解散。

HALCALI

オリコン最高位  シングル10位  アルバム5位

2003年デビュー。MCのHALCAとYUCALIで結成。

2003年リリースのシングル「ギリギリ・サーフライダー」で初のトップ10入り。その年に発売した1stアルバム「ハルカリベーコン」もオリコン5位と上々のスタート。しかしそれ以降目立ったヒットには恵まれなかったが、2009年、TOKYO NO.1 SOULSETとのコラボレーションで「今夜はブギー・バック」のカバーをシングルリリースし、CMから人気に火が付き久しぶりにオリコントップ10に返り咲く。

デビューからプロデュースはRIP SLYMEのRYO-ZとDJ FUMIYAが行っており、RIP SLYME色の強い曲が初期は目立ったが、後期はRIP SLYMEは携わってなかったようである。当時、女性ラップユニットは珍しく、PUFFYを彷彿とさせるようなユルさも話題にはなったが、大きなヒットには至らなった。しかし、上記に触れたようにCMから話題になる曲が多く存在し、印象に残るユニットであったことは間違いない。

2012年に所属事務所との契約は終了し、現在は個人での活動をしているが音楽活動は行ってないようである。

 

2004年

nobodyknows+

オリコン最高位  シングル3位  アルバム1位

名古屋発。2003年メジャーデビュー。メンバー名は打ち込むのが大変なので割愛(笑)

メンバーのg-tonが脱退する2007年まで5MC1DJという比較的珍しい形式をとっていた。

ヒットは2004年のシングル「ココロオドル」。当初は「SDガンダムフォース」のエンディングテーマに使用されていたのもヒットの要因だが、アニメを見ていた層以外にも浸透し、ロングヒットを記録。この曲で紅白出場。その年に発売したアルバム「Do You Know?」はオリコン1位、累計売り上げは80万枚を記録。その後「シアワセナラテヲタタコウ」「エルミラドール」などシングルは5作連続でトップ10入り。

nobodyknows+は早いBPMに高速ラップを展開し、メンバーの外見的な特徴であるドレッド、アフロなどに加え、ダミ声などキャラが非常に立っていたのもお茶の間に受けた要素の一つである。また、パーティーチューンっぽい盛り上げラップを展開していたので、ラップ=とっつきにくいという印象も彼らの登場でかなり払拭されたような気もする。

現在は、自主レーベルでの活動でメンバーがそれぞれ農家や居酒屋経営、ファッションブランドの設立などをしており、ゆるーく音楽活動をしているようである。

 

2005年

BENNIE K

オリコン最高位  シングル3位  アルバム1位

デビューは2001年と早め。ボーカルのYUKIとラッパーのCICOによるユニット。この記事で掲載しようか迷ったが、B-BOY PARKに単独での出演歴があるので一応

2005年リリースのシングル「Dreamland」がコカ・コーラのCMに起用され大ヒット。オリコンでは2位、年間ランキングでも18位とその年を象徴するヒットとなった。配信では1か月で120万ダウンロード、累計では340万ダウンロードを記録。その後も4曲シングルはトップ10入り。

米国のR&B、ハウスミュージックを基調にしたトラックににボーカルYUKIの爽やかな伸びのある歌声と、CICOの女性ラッパーにしては珍しい英語を交えた早口ラップが見事に織り交ざり、そのお洒落なサウンドとメッセージ性の強い歌詞で人気を集めた。

2009年に活動を休止。2021年に12年ぶりとなる新曲「FINAL」をリリースし、22年1月24日をもって活動を終了した。

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HOME MADE 家族

オリコン最高位  シングル8位  アルバム3位

こちらも名古屋発。2004年メジャーデビュー。MC、リードボーカルのMICRO、MCのKURO、DJのU-ICHIからなる3人組ユニット

2005年にリリースされたシングル「サンキュー!!」がアニメBLEACHのエンディングに起用され、オリコン15位を記録しロングヒット。その年リリースしたアルバム「ROCK THE WORLD」はオリコン5位、売り上げは30万枚を記録した。

その後もアニメ・エウレカセブンのオープニング「少年ハート」やナルト等、数々のアニメ主題歌を担当し、小・中学生などの今までヒップホップを聴いたことがないような世代にもヒップホップを浸透させることに成功、2009年には武道館での単独公演も成功させる。

特徴として、メンバーの身長が大・中・小に大きく分かれており、歌詞の中にも「大中小」がしばしば用いられている。また、MC2人が帰国子女という事もあり、米国のヒップホップ、ソウルミュージックを基調とした独自のヒップホップが初期は目立ったが、アニメのタイアップもあってか、ヒップホップというよりはJ-POPに寄っていってしまったのも事実である。

「血は繋がっていなくても音楽を通して家族のような存在になる」をコンセプトとしていたり、「世界で1番家族に優しいフェス」をコンセプトにしたフェスKAZOKU Fes.の開催などヒップホップとはかけ離れたイメージの暖かさ、優しさというのも彼らの魅力の一つである。

2016年、活動を休止。メンバーのKUROはサミュエル・サトシ名義で作家としても活動している↓

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2006年

SEAMO

オリコン最高位  シングル5位  アルバム1位

こちらも名古屋発。塾長ことSEAMO

シーモネーター&DJ TAKI-SHIT名義で2002年にメジャーデビューも契約解除、SEAMOと名を改め、2005年に再メジャーデビュー

2006年「マタアイマショウ」「ルパン・ザ・ファイヤー」がスマッシュヒットを記録し、その年に発売されたアルバム「Live Goes On」で首位を獲得。日本のヒップホップソロアーティストとしてはKREVA以来2人目の快挙であった。また、「マタアイマショウ」の着うた関連は300万ダウンロードを突破。この頃からヒップホップ=着うた=恋愛ソングなどのイメージが徐々に根付いていった。その年、紅白に初出場し、メドレーで2曲を披露した。それ以降のシングルも4作連続トップ10入り。2008年には武道館公演も行った。

特徴としては高いキーでの高速ラップと歌をこなす。TV番組でもその安定したトークと声量とラップの聞き取りやすさには定評があった。塾長という愛称は名古屋でヒップホップグループ「男塾」のリーダーだったため。HOME MADE家族やnobodyknows+は後輩にあたる。先輩であるSEAMOが後輩たちが先に売れていく姿を見て「当時は面白くない気持ちもあった」とも語っている。

現在も活動中。馬主やラジオ、ナガシマスパーランドでの夏フェス「TOKAI SUMMIT」の発起人としても知られる。

 

後編へ続く

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